宮崎県西臼杵郡高千穂町にある高千穂峡は、九州を代表する絶景スポットとして、年間を通じて多くの観光客が訪れます。中でも秋の紅葉シーズンは、渓谷美と色鮮やかな紅葉が織りなす圧巻の景色が楽しめる、特別な時期です。
深い渓谷、流れ落ちる滝、色づく木々。これらが一体となって生み出す自然のスケール感は、高千穂峡ならではの魅力と言えるでしょう。2025年も例年通り、11月中旬から11月下旬にかけて紅葉の見頃を迎える予定です。
「高千穂峡の紅葉っていつが一番きれい?」「ボートに乗りながら紅葉を楽しめるって本当?」「どんな服装で行けばいい?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2025年の高千穂峡の紅葉情報を徹底解説します。見頃の時期やボート遊びの楽しみ方、おすすめの撮影スポット、アクセス方法、周辺の観光地まで、高千穂峡の紅葉を満喫するための情報を詳しくお届けします。
秋の九州旅行を計画している方、絶景スポット巡りが好きな方、紅葉とアクティビティを同時に楽しみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
高千穂峡の紅葉の魅力とは?
渓谷・滝・紅葉の三位一体の絶景
高千穂峡の最大の魅力は、深い渓谷、流れ落ちる滝、色鮮やかな紅葉が一体となった壮大な景観です。阿蘇山の火山活動によって形成された柱状節理の断崖が、約7キロメートルにわたって続く渓谷は、それだけでも圧巻の自然美を誇ります。
この渓谷に秋の紅葉が加わると、まさに絵画のような光景が広がります。高さ約80メートルから100メートルの断崖絶壁に、赤や黄色、オレンジ色に染まった木々が張り付くように生えている様子は、自然の造形美の素晴らしさを実感させてくれます。
特に「真名井の滝」周辺は、紅葉の名所として知られています。高さ約17メートルから流れ落ちる滝と、その周囲を彩る紅葉のコントラストは、息をのむほどの美しさです。
自然のスケール感を体感できる
高千穂峡の紅葉は、単なる「きれいな紅葉」ではありません。圧倒的な自然のスケール感を体感できるのが特徴です。
渓谷の深さ、断崖の高さ、流れる水の勢い、そして谷間全体を染め上げる紅葉。これらすべてが組み合わさることで、人間の小ささと自然の偉大さを実感させてくれます。
遊歩道から見下ろす景色も素晴らしいですが、ボートに乗って谷底から見上げる紅葉は、また違った感動を与えてくれます。断崖絶壁の上に茂る木々が色づき、それが水面に映り込む様子は、まさに絶景です。
時間帯によって変わる表情
高千穂峡の紅葉は、時間帯によって全く異なる表情を見せてくれます。
早朝は霧が立ち込めることが多く、幻想的な雰囲気の中で紅葉を楽しめます。霧の中に浮かび上がる紅葉は、まるで水墨画のような美しさです。
午前中は太陽の光が渓谷に差し込み、紅葉が最も鮮やかに輝きます。写真撮影には最適な時間帯です。
午後は光が柔らかくなり、渓谷全体が落ち着いた雰囲気に包まれます。ゆっくりと散策を楽しむのに適した時間帯です。
夕暮れ時は、西日が渓谷を照らし、紅葉がオレンジ色に輝きます。この時間帯ならではの温かみのある景色を楽しめます。
ボート遊びで紅葉をもっと楽しもう!
貸しボートで渓谷美を堪能
高千穂峡の紅葉を満喫するなら、貸しボートでの遊覧が断然おすすめです。渓谷を水上から眺めることで、遊歩道からは見られない角度から紅葉を楽しめます。
ボートは手漕ぎタイプで、1艇につき大人3名まで乗船可能です。所要時間は約30分で、真名井の滝の近くまで行くことができます。紅葉シーズンは特に人気が高く、休日には2~3時間待ちになることも珍しくありません。
ボートの上から見上げる断崖絶壁と紅葉の景色は圧巻です。渓谷の深さを実感しながら、頭上を覆うように茂る紅葉を眺める体験は、高千穂峡でしか味わえません。
ボート乗り場の営業情報(2025年版)
営業時間:午前8時30分~午後5時(最終受付は午後4時30分)
※紅葉シーズンは営業時間が延長される場合があります
料金:1艇30分 4,100円(2025年時点)
※料金は変更される可能性があるため、訪問前に公式サイトで確認してください
定員:1艇につき大人3名まで(小学生以下は大人1名とカウント)
予約:当日受付のみ(予約不可)
※混雑時は整理券が配布されます
注意事項:
- 天候や水量により運休する場合があります
- 紅葉シーズンの週末は特に混雑するため、開園時間前の到着がおすすめです
- 動きやすい服装と、濡れても良い靴で訪れましょう
ボートからの撮影テクニック
ボートの上から紅葉を撮影する際は、以下のポイントを押さえましょう。
水面への映り込みを活用すると、幻想的な写真が撮れます。風が弱い日は水面が鏡のようになり、紅葉がくっきりと映り込みます。
真名井の滝と紅葉を一緒にフレームに収めるのが定番の構図です。滝の近くまで行けるのはボートならではの特権です。
断崖を見上げる構図も迫力満点です。谷底から見上げる紅葉は、高さと奥行きを強調できます。
ただし、ボートは揺れるため、シャッタースピードを速めに設定するか、手ぶれ補正機能を活用しましょう。防水ケースやストラップの使用もおすすめです。
アクティブ派におすすめの楽しみ方
ボート遊びは、単なる観光だけでなく、アクティビティとしても楽しめるのが魅力です。
カップルやグループで交代しながら漕ぐのも楽しいですし、力を合わせて滝の近くまで進む達成感も味わえます。紅葉を眺めながらのボート遊びは、爽やかな秋の空気の中で身体を動かせる健康的なアクティビティです。
小さなお子様連れの家族には、ライフジャケットの着用が推奨されています。安全に配慮しながら、家族みんなで紅葉とボート遊びを楽しみましょう。
高千穂峡の紅葉おすすめ撮影スポット

真名井の滝展望台
真名井の滝展望台は、高千穂峡で最も人気のある撮影スポットです。展望台からは、滝と紅葉、そしてボートが一緒に写る絵になる構図を狙えます。
紅葉シーズンは多くの観光客で賑わいますが、それだけの価値がある絶景スポットです。午前中の光が美しく、滝の水しぶきが陽光に照らされてキラキラと輝きます。
展望台は遊歩道から少し階段を下りた場所にあります。人気スポットのため、三脚の使用は混雑時には控えましょう。
仙人の屏風岩
「仙人の屏風岩」と呼ばれる柱状節理の断崖も、紅葉の名所です。規則正しく並んだ岩の柱が、まるで屏風のように見えることからこの名がつきました。
この岩肌に張り付くように生える木々が紅葉する様子は、自然の造形美の素晴らしさを感じさせてくれます。遊歩道から眺める角度が最も美しく、岩の質感と紅葉のコントラストを楽しめます。
おのころ池周辺
おのころ池の周辺も、静かに紅葉を楽しめるスポットです。池に映り込む紅葉が美しく、風のない日には完璧な鏡面反射を撮影できます。
真名井の滝周辺に比べると観光客も少なめで、ゆっくりと撮影に集中できます。池の周囲を散策しながら、様々な角度から紅葉を楽しめるのも魅力です。
渓谷沿いの遊歩道
高千穂峡には、渓谷沿いに約1キロメートルの遊歩道が整備されています。この遊歩道全体が撮影スポットと言っても過言ではありません。
歩きながら、様々な角度から渓谷と紅葉の景色を楽しめます。特に遊歩道の途中にある東屋からの眺めは素晴らしく、休憩しながら紅葉を堪能できます。
遊歩道は一部狭くなっている場所もあるため、混雑時は譲り合いの精神で利用しましょう。
高千穂峡へのアクセスと駐車場情報
車でのアクセス
高千穂峡へは車でのアクセスが便利です。九州自動車道「熊本IC」から約2時間、延岡市内から約50分です。
主要なルートは以下の通りです!
福岡方面から:九州自動車道→熊本IC→国道218号線→高千穂町(約2時間30分)
大分方面から:東九州自動車道→延岡IC→国道218号線→高千穂町(約1時間)
宮崎市内から:東九州自動車道→延岡IC→国道218号線→高千穂町(約1時間30分)
熊本市内から:国道218号線→高千穂町(約2時間)
国道218号線は山道が続くため、運転には注意が必要です。カーブが多く、対向車とのすれ違いに気を配る必要があります。紅葉シーズンは観光車両が増えるため、時間に余裕を持って出発しましょう。
駐車場について
高千穂峡には複数の駐車場が用意されています。
第1駐車場(御塩井駐車場):収容台数約50台、高千穂峡に最も近い
第2駐車場(あららぎ駐車場):収容台数約300台、徒歩約10分
第3駐車場:収容台数約100台、徒歩約15分
駐車料金:1回500円(2025年時点)
紅葉シーズンの週末や祝日は、第1駐車場が満車になることが多く、第2、第3駐車場の利用となります。午前9時を過ぎると駐車場が混雑し始めるため、午前8時頃までに到着するのが理想的です。
第2、第3駐車場からは徒歩での移動となりますが、駐車場から高千穂峡までの道のりも紅葉が美しく、散策を楽しみながら向かえます。
公共交通機関でのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、まず宮崎または熊本から高千穂町へ向かい、そこからバスまたはタクシーを利用します。
宮崎方面から:JR延岡駅→宮崎交通バス「高千穂バスセンター」行き(約1時間30分)
熊本方面から:熊本市内→宮崎交通バス「高千穂バスセンター」行き(約3時間)
高千穂バスセンターから高千穂峡までは、路線バスまたはタクシーで約10分です。路線バスの本数は限られているため、事前に時刻表を確認しておきましょう。タクシーの場合、料金は片道1,500円程度です。
レンタサイクルも利用可能で、高千穂町中心部で借りられます。サイクリングで高千穂峡まで向かうのも、秋の景色を楽しみながら移動できておすすめです。
高千穂峡周辺のおすすめ観光スポット
高千穂神社で神話の世界に触れる
高千穂峡から車で約5分の場所にある高千穂神社は、約1900年の歴史を持つ由緒ある神社です。境内の樹齢800年を超える秩父杉や、夫婦杉など見どころが豊富です。
秋には境内のイチョウやモミジが色づき、神聖な雰囲気と紅葉のコンビネーションを楽しめます。毎晩午後8時から「高千穂神楽」が奉納されており、夜の観光にもおすすめです。
天岩戸神社で神話を体感
日本神話の舞台として有名な天岩戸神社も、高千穂峡から車で約15分の場所にあります。天照大神が隠れたとされる天岩戸を御神体として祀っている神社です。
境内の紅葉も美しく、神話と自然が融合した神秘的な雰囲気を味わえます。近くの天安河原も、神話ゆかりの地として訪れる価値があります。
国見ヶ丘で雲海と紅葉を
早朝に訪れるなら、国見ヶ丘がおすすめです。高千穂峡から車で約20分、標高513メートルの展望台からは、条件が良ければ雲海を見ることができます。
秋の早朝は特に雲海が発生しやすく、紅葉と雲海のコラボレーションは圧巻です。日の出の時間帯に合わせて訪れると、幻想的な光景に出会えるかもしれません。
高千穂峡淡水魚水族館
高千穂峡のボート乗り場近くにある高千穂峡淡水魚水族館は、五ヶ瀬川水系に生息する淡水魚を展示している小さな水族館です。
入館無料で、ヤマメやアマゴなど、地元の川に暮らす魚たちを観察できます。子供連れの家族に特におすすめで、ボート待ちの時間にも立ち寄れます。
道の駅高千穂で地元グルメを堪能
高千穂峡から車で約5分の「道の駅高千穂」では、地元の特産品やグルメを楽しめます。高千穂牛を使った料理や、手打ちそば、地元野菜を使った郷土料理など、宮崎の味覚を堪能できます。
お土産コーナーも充実しており、高千穂焼酎や地元の工芸品など、旅の記念品を探すのにぴったりです。
高千穂峡観光の注意点とマナー
服装と持ち物
11月の高千穂は朝晩の冷え込みが厳しくなります。上着や羽織るものを必ず持参しましょう。日中は暖かくても、朝晩は10度以下になることもあります。
遊歩道は整備されていますが、階段や坂道もあるため、歩きやすいスニーカーなどの靴が必須です。ボートに乗る予定の方は、濡れても良い服装と靴を選びましょう。
持ち物としては、カメラ、飲み物、タオル、雨具などを準備しておくと安心です。山間部は天候が変わりやすいため、折りたたみ傘があると便利です。
安全に楽しむために
遊歩道は一部狭くなっている場所や、足元が滑りやすい場所もあります。スマートフォンを見ながらの歩行は避け、足元に注意して散策しましょう。
紅葉の撮影に夢中になって、遊歩道からはみ出したり、危険な場所に立ち入ったりしないよう注意が必要です。特に小さなお子様連れの方は、目を離さないようにしましょう。
ボートに乗る際は、スタッフの指示に従い、ライフジャケットを正しく着用してください。ボートの上で立ち上がったり、大きく身体を動かしたりするのは危険です。
環境保護へのご協力
高千穂峡の美しい自然を守るため、ゴミは必ず持ち帰りましょう。渓谷内にゴミ箱はありますが、できる限りゴミを出さないよう心がけることが大切です。
紅葉の枝を折ったり、岩に落書きをしたりするのは絶対にやめましょう。自然環境を守り、次世代にもこの美しい景色を残していく責任があります。
遊歩道以外の場所への立ち入りも控えてください。植生を守るため、決められた場所での観光を心がけましょう。
最後に
宮崎県高千穂町の高千穂峡は、渓谷美と紅葉、そして滝が織りなす絶景スポットです。2025年も11月中旬から11月下旬にかけて、自然のスケール感を体感できる圧巻の紅葉が楽しめるでしょう。
特におすすめなのが、ボートに乗って水上から紅葉を楽しむ体験です。断崖絶壁を見上げながら、紅葉に囲まれて漕ぐボートは、高千穂峡ならではの特別な思い出になります。アクティブに楽しみたい方にも、ゆっくり自然を満喫したい方にも、それぞれの楽しみ方があります。
周辺には高千穂神社や天岩戸神社など、神話ゆかりの観光スポットも点在しています。紅葉狩りと神話めぐりを組み合わせた、充実した秋の旅を計画してみてはいかがでしょうか。
2025年の秋は、ぜひ高千穂峡で忘れられない紅葉体験を。深い渓谷に響く水音、色鮮やかな紅葉、そして神話の息づく神聖な雰囲気が、きっと心に残る特別な時間を与えてくれるはずです。
早朝の霧に包まれた幻想的な景色も、午後の柔らかな光に照らされた温かな景色も、時間帯によって表情を変える高千穂峡の紅葉を、思う存分楽しんでください。自然の偉大さと美しさを全身で感じられる、素晴らしい秋の旅になることでしょう。


