関東平野を見渡す筑波山は、秋になると山肌全体が赤や黄色に染まる絶景スポットです。都心から車で約2時間、つくばエクスプレスを利用すれば電車でもアクセス可能な距離にあるため、日帰りで気軽に紅葉狩りを楽しめます。
2025年の秋も、筑波山では10月中旬から11月中旬にかけて紅葉シーズンが到来します。標高877メートルの山頂付近から麓へと徐々に色づいていく様子は、まるで自然が描く芸術作品のようです。ケーブルカーやロープウェイに乗れば、空中から眺める紅葉のパノラマが広がり、車窓からの景色も格別です。
今回は、筑波山の紅葉を存分に楽しむための見頃予想や混雑回避のコツ、幻想的なライトアップ情報、秋の風物詩である紅葉まつりの魅力まで、詳しくご紹介します。朝早く出発してドライブを楽しみながら、秋の筑波山を満喫してみませんか?
筑波山の紅葉、2025年の見頃予想は?

筑波山の紅葉は例年10月中旬から色づき始め、11月中旬まで楽しめます。2025年も気候条件によって若干の変動はあるものの、同じ時期に美しい紅葉が期待できるでしょう。
筑波山には男体山と女体山という二つの峰があり、標高差があるため紅葉の進み具合も場所によって異なります。山頂付近は10月中旬から下旬が最盛期となり、中腹から麓にかけては10月下旬から11月中旬が見頃のピークです。
標高別の紅葉スケジュール
山頂エリア(標高800メートル前後)では、朝晩の冷え込みが早く訪れるため、10月中旬には既にモミジやカエデが鮮やかに色づきます。ケーブルカーやロープウェイで山頂に向かう道中、眼下に広がる紅葉の絨毯は息をのむ美しさです。
中腹エリア(標高400〜600メートル)は10月下旬から11月初旬が狙い目です。筑波山神社周辺や御幸ヶ原エリアでは、参道を彩る紅葉と歴史ある社殿のコントラストが趣深い風景を作り出します。
麓エリアは11月に入ってから見頃を迎えます。つつじヶ丘駐車場周辺や筑波山麓の散策路では、ゆったりとした時間の中で紅葉を楽しめるでしょう。
見頃を的確に捉えるポイント
2025年の秋は、9月の気温と10月の天候が紅葉の色づきに大きく影響します。9月に適度な雨量があり、10月に晴天と朝晩の冷え込みが続けば、鮮やかな紅葉が期待できます。
訪問前には筑波山観光協会の公式サイトや、つくば市の観光情報をチェックするのがおすすめです。リアルタイムの紅葉状況が写真付きで更新されているため、最適なタイミングで訪れることができます。
幻想的な筑波山の紅葉ライトアップ
秋の筑波山では、紅葉ライトアップが毎年開催されています。2025年も例年通り、10月下旬から11月中旬の週末を中心に実施される予定です。
日没後、ライトに照らされた紅葉は昼間とは全く違う表情を見せてくれます。闇の中に浮かび上がる赤や黄色の葉は、幻想的で神秘的な雰囲気を醸し出します。特に筑波山神社周辺や、ケーブルカー沿線のライトアップは見応え十分です。
ライトアップの見どころ
筑波山神社の境内では、御神木や参道の木々がライトアップされ、荘厳な空気に包まれます。石段を登りながら見上げる紅葉は、まるで光の天井のようです。
ケーブルカー宮脇駅周辺も人気スポットです。ケーブルカーの運行時間が延長される日もあり、夜景と紅葉を同時に楽しめる贅沢な体験ができます。車窓から見える光の軌跡と、遠くに輝くつくば市の夜景が織りなす景色は格別です。
ライトアップ鑑賞の準備
夜の山は昼間より気温が10度近く下がることもあります。防寒着やストールを持参して、体を冷やさないよう注意しましょう。また、足元が暗くなるため、歩きやすい靴や懐中電灯があると安心です。
撮影を楽しみたい方は、三脚があると便利です。長時間露光で撮影すれば、ライトアップされた紅葉がより鮮やかに写真に収まります。ただし、混雑時は三脚の使用が制限される場合もあるため、現地のルールに従いましょう。
筑波山紅葉まつりで秋を満喫
毎年秋に開催される筑波山紅葉まつりは、地元の特産品や秋の味覚を楽しめるイベントです。2025年も10月下旬から11月中旬にかけて、筑波山麓の各所で開催される予定です。
会場では、つくば市や石岡市の農産物直売所が出店し、新鮮な野菜や果物、地酒、お土産品が並びます。筑波山麓で採れた栗や柿は、この時期ならではの味わいです。
まつりの楽しみ方
紅葉まつり期間中は、ステージイベントや郷土芸能の披露も行われます。地元の太鼓演奏や伝統舞踊を鑑賞しながら、秋の風情を感じられるでしょう。
飲食ブースでは、温かいけんちん汁や焼き芋、甘酒などが販売されます。紅葉を眺めながら味わう秋の味覚は、心も体も温めてくれます。
また、まつり期間中は筑波山周辺の観光施設で割引サービスが実施されることもあります。温泉施設や飲食店でお得に利用できるクーポンが配布されるため、事前に観光協会のサイトで確認しておくと良いでしょう。
お土産選びのヒント
筑波山名物の「つくばうどん」や「福来みかんサイダー」は、お土産として人気があります。福来みかんは筑波山特有の小さなみかんで、香り高く爽やかな風味が特徴です。
地元の酒蔵で作られる日本酒も見逃せません。筑波山の伏流水で仕込まれた日本酒は、すっきりとした飲み口で料理との相性も抜群です。
筑波山ケーブルカーで空中紅葉散歩

筑波山ケーブルカーは、宮脇駅から筑波山頂駅までを約8分で結ぶ交通手段です。紅葉シーズンには、車窓から見える赤や黄色の絨毯が乗客を楽しませてくれます。
ケーブルカーの勾配は最大20度にも達し、急斜面を登っていく迫力も見どころの一つです。窓いっぱいに広がる紅葉のパノラマは、思わず歓声が上がるほどの美しさです。
ケーブルカー利用のコツ
紅葉シーズンの週末や祝日は、ケーブルカー乗り場が混雑します。朝9時の始発から午前中の早い時間帯に利用すれば、比較的スムーズに乗車できます。
往復チケットを購入しておくと、帰りの列に並ぶ時間を短縮できます。また、ケーブルカーとロープウェイの乗り放題チケットもあり、両方を利用して山を周遊したい方にはお得です。
車内での撮影ポイント
ケーブルカーの進行方向右側の席は、筑波山神社側の紅葉がよく見えます。左側の席からは、関東平野の眺望と紅葉を同時に楽しめます。
登りと下りで景色の印象が変わるため、往復とも違う席に座ってみるのもおすすめです。下りのケーブルカーでは、つくば市街地へと続く紅葉の海が目の前に広がります。
混雑を避けて快適に紅葉を楽しむ方法
筑波山の紅葉シーズンは、週末や祝日を中心に多くの観光客が訪れます。平日の朝早い時間帯を選べば、落ち着いて紅葉を鑑賞できるでしょう。
駐車場は朝8時前に到着すれば、比較的スムーズに駐車できます。特につつじヶ丘駐車場や筑波山神社の駐車場は人気が高く、午前10時を過ぎると満車になることも珍しくありません。
おすすめの訪問タイミング
平日の午前中が最も混雑を避けられる時間帯です。特に火曜日から木曜日は観光客が少なく、ゆっくりと散策できます。
週末に訪れる場合は、開門直後の朝8時台を狙いましょう。早朝の澄んだ空気の中で見る紅葉は、色彩がより鮮やかに映えます。
天気予報をチェックして、晴天の日を選ぶことも大切です。曇りや雨の日は紅葉の発色が悪く見えてしまうため、せっかくの絶景が台無しになってしまいます。
駐車場情報と公共交通機関
車で訪れる場合、つつじヶ丘駐車場は約400台、筑波山神社駐車場は約200台収容可能です。混雑時は臨時駐車場も開放されますが、徒歩での移動時間が長くなるため注意が必要です。
公共交通機関を利用する場合は、つくばエクスプレスつくば駅から筑波山シャトルバスが便利です。紅葉シーズンは増便されることもあり、約40分で筑波山麓に到着します。
渋滞を避けたい方は、電車とバスの組み合わせがおすすめです。駐車場待ちのストレスもなく、車窓から紅葉を楽しみながら向かうことができます。
筑波山周辺の立ち寄りスポット
紅葉狩りの後は、筑波山周辺の観光スポットにも足を運んでみましょう。温泉やグルメ、自然体験施設など、一日では回りきれないほど魅力的な場所が点在しています。
筑波山温泉郷
筑波山麓には複数の温泉施設があり、登山や散策で疲れた体を癒すのに最適です。日帰り入浴が可能な施設も多く、紅葉を眺めながらの露天風呂は至福のひとときです。
泉質はアルカリ性単純泉で、肌がすべすべになると評判です。特に秋の夕暮れ時、紅葉に染まる山肌を眺めながら入る温泉は格別の体験となるでしょう。
つくばわんわんランド
ペット同伴で旅行される方には、つくばわんわんランドがおすすめです。約90種500頭の犬たちと触れ合える施設で、家族みんなで楽しめます。
園内には猫の施設「にゃんにゃんテラス」もあり、猫好きの方も満足できます。紅葉シーズンの秋は気候も良く、ペットと一緒に散歩するのに絶好の季節です。
筑波山梅林
筑波山の南斜面に広がる梅林は、春には約1,000本の梅が咲き誇りますが、秋には紅葉スポットとしても知られています。梅の木々が色づく様子は珍しく、訪れる価値があります。
標高が低いため、11月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。筑波山本体の紅葉が終わった後でも楽しめるため、時期をずらして訪れるのも良いでしょう。
ドライブで楽しむ筑波山紅葉ルート

都心から筑波山へのドライブは、紅葉を楽しみながらのアクセスが魅力です。常磐自動車道を利用すれば、約1時間半から2時間で到着します。
筑波山周辺は走りやすい道路が整備されており、初めての方でも安心してドライブできます。道中のサービスエリアやパーキングエリアでも秋の味覚を楽しめるため、休憩も楽しみの一つです。
おすすめドライブコース
常磐自動車道の土浦北ICで降り、国道125号線を経由して筑波山へ向かうルートが一般的です。途中、霞ヶ浦や田園風景を眺めながらのドライブは、心を穏やかにしてくれます。
時間に余裕がある方は、つくば市内を経由するルートもおすすめです。JAXAつくば宇宙センターやつくばエキスポセンターなど、科学技術の街ならではの施設に立ち寄れます。
帰りのルートは、筑波スカイラインを通って石岡方面へ抜けるのも良いでしょう。途中の展望台からは、関東平野を一望できる絶景が待っています。
ドライブ途中のグルメスポット
筑波山麓には、地元の食材を使った飲食店が多数あります。常陸秋そばは茨城県を代表するブランド蕎麦で、香り高く喉越しの良い味わいが特徴です。
また、つくば市は福来みかんの産地でもあります。小ぶりながら香り豊かなこのみかんを使ったスイーツやドリンクは、ドライブの休憩にぴったりです。
筑波山紅葉撮影のベストスポット
写真愛好家にとって、筑波山の紅葉は絶好の被写体です。ここでは、特に美しい写真が撮れるスポットをご紹介します。
御幸ヶ原からの眺望
ケーブルカーとロープウェイの中継地点である御幸ヶ原は、360度のパノラマビューが楽しめる展望スポットです。紅葉に染まる山肌と、遠くに広がる関東平野のコントラストが見事です。
早朝に訪れれば、朝日に照らされた紅葉が黄金色に輝く瞬間を捉えられます。午後は逆光になるため、朝の時間帯がベストタイミングです。
筑波山神社の境内
歴史ある社殿と紅葉の組み合わせは、日本の秋らしい風情を感じさせます。特に随神門から拝殿にかけての参道は、両脇の木々が鮮やかに色づき、フォトジェニックな空間となります。
午前中の柔らかい光が境内に差し込む時間帯は、紅葉の色が最も美しく映えます。人が少ない早朝を狙えば、静寂に包まれた神聖な雰囲気も写真に収められるでしょう。
つつじヶ丘展望台
つつじヶ丘駐車場近くの展望台からは、筑波山全体を見渡せます。山肌を埋め尽くす紅葉の絨毯は圧巻の一言です。
夕方の斜光が山を照らす時間帯は、紅葉が立体的に浮かび上がり、ドラマチックな写真が撮れます。三脚を使ってじっくり撮影すれば、プロ顔負けの作品が生まれるでしょう。
最後に
筑波山の紅葉は、関東圏で気軽に訪れられる絶景スポットです。日帰りドライブにも最適な距離にあり、朝出発すれば午前中には到着できます。
2025年の秋も、10月中旬から11月中旬にかけて山全体が赤や黄色に染まります。標高差があるため、時期をずらして何度訪れても違った表情の紅葉を楽しめるのが筑波山の魅力です。
ライトアップや紅葉まつりなど、昼夜を問わず楽しめるイベントも充実しています。ケーブルカーに乗れば、空中から眺める紅葉のパノラマが広がり、特別な思い出となるでしょう。
混雑を避けるなら平日の午前中、特に火曜日から木曜日がおすすめです。早起きして澄んだ空気の中で見る紅葉は、一日の始まりを鮮やかに彩ってくれます。
今年の秋は筑波山へ足を運んで、関東屈指の紅葉美を体感してみませんか。自然が織りなす秋の芸術作品が、あなたを待っています。

