スマホに「067」という見慣れない番号から突然着信が入ったら、あなたはどう感じるでしょうか。多くの人が「どこからかけてきたんだろう」と疑問を抱くはずです。番号の頭が「06」だから、もしかして大阪あたりからの電話かもしれない——そんな推測をする方も決して珍しくありません。
ところが、この「067」という番号帯には、私たちが普段イメージする地域の市外局番とはまったく違った背景が隠されています。単なる地方都市からの連絡というわけではなく、実はもっと複雑な事情があるのです。
今日は、この謎めいた067番号の正体について、できるだけ詳しくお話ししていきたいと思います。最近、身に覚えのない番号からの着信に頭を悩ませているなら、ぜひ最後までお付き合いください。きっと役立つ情報が見つかるはずですよ。
067番号の正体!実は大阪の市外局番ではなくIP電話専用の番号帯だった!

最初にはっきりお伝えしておきますが、「067」は大阪府や特定の都道府県を示す市外局番として使われているわけではありません。この番号は、インターネットの通信回線を使って音声のやり取りを行う、いわゆるIP電話というサービスのために用意された専用の番号帯なんです。
従来型の固定電話や携帯電話とは仕組みがまったく異なり、光ファイバー回線などのブロードバンド環境を経由して通話が成立する形式ですね。確かに大阪市とその周辺地域では「06」という市外局番が使われていますから、数字の並びが似ているせいで勘違いしてしまうのも無理はありません。
でも実際には、067と06はまったくの別物です。地域と紐づいた市外局番として地理的な場所を特定できる性質を持っていないという点を、まず頭に入れておいてください。
もともとIP電話の番号帯としては、「050」という番号が先駆けとして世の中に広まっていきました。ところが、この便利なサービスを利用する人々が想定以上に増えていった結果、050の番号だけでは足りなくなる事態が起こりそうになったんです。
そこで、番号不足の問題を解消するための補完的な措置として、新たに「067」という番号帯が加えられた経緯があります。
つまり、067から始まる番号から着信があったときは、相手がインターネット回線を通じて電話をかけてきているということになります。こうした成り立ちがあるため、番号を見ただけでは発信元がどこにあるのか判断できません。
ネット環境が整ってさえいれば、北海道からでも沖縄からでも、場合によっては海外からでも067番号を使って発信することが可能なんですよ。私たちが日常的に使っている携帯電話や固定電話とは根本的に性質が違い、物理的な場所に縛られないというのがIP電話の大きな特徴と言えるでしょう。
067番号からの着信には警戒が必要?迷惑電話や詐欺の可能性を見抜くコツ
もちろん、067から始まる番号からかかってくる電話のすべてが怪しいわけではありません。ただ残念なことに、営業活動や詐欺を目的とした悪質な電話に使われている事例が少なからず存在するのも事実です。
IP電話サービスは導入にかかる費用が比較的安く、大量の発信作業を効率的に行える点が魅力となっているため、企業が営業の電話をかける際にも頻繁に採用されています。きちんとした企業がカスタマーサポート窓口として使っているケースもありますから、全部が全部ダメだとは言い切れません。
けれども、その手軽さゆえに悪意を持った業者にとっても使い勝手が良いという側面があることは否定できないでしょう。
実際に被害報告が上がっている内容を見てみると、不動産への投資を持ちかける勧誘や、光ファイバー回線の契約を迫る営業、あるいは架空の請求で金銭を騙し取ろうとする詐欺などが挙げられます。
こういった電話は、一度や二度では終わらず、何回も執拗にかかってくることが多いですし、断っても諦めずにしつこく勧誘を続けてくる傾向があります。
それでは、自分のところにかかってきた電話が迷惑電話なのかどうか、どうやって判断すれば良いのでしょうか。
もっとも手軽で効果的な方法は、着信があった電話番号をそのままインターネットの検索窓に入力して調べてみることです。多くの人が迷惑を被っている番号であれば、迷惑電話の情報を集めた専門サイトやSNSなどで、実際に電話を受けた人たちの口コミや体験談が見つかる可能性が高いです。
「この番号から1日に何度も着信がある」とか「怪しい投資話を持ちかけられた」といった具体的な情報が出てくれば、その番号への対応は慎重に考えるべきでしょう。
また、留守番電話の機能をあらかじめ設定しておくというのも、非常に有効な防衛策になります。本当に用事があって電話をかけてきた相手なら、会社名や自分の名前、連絡した理由などを必ず録音メッセージとして残していくはずですよね。
何も伝言が入っていないのに、同じ番号から繰り返し着信が続くようであれば、それは怪しいと見なす十分な根拠になります。
そして特に注意してほしいのが、着信音が一回だけ鳴ってすぐに切れる、いわゆる「ワン切り」と呼ばれる手口です。これには絶対に反応してはいけません。
ワン切りの狙いは、こちらから折り返し電話をかけさせることにあります。かけ直した先が高額な通話料金が発生する特殊な番号につながってしまったり、あるいは電話番号が現在も使われていることを業者側に確認されてしまったりする危険があるんです。
ワン切り着信を見つけても、好奇心に負けずにぐっとこらえて、完全に無視するのが最も安全な選択ですよ。
知らない067番号にはどう対応すべき?安全に確認する方法を解説

もしも067で始まる心当たりのない番号から着信が入った場合、どのような行動を取るのが賢明なのでしょうか。
基本的な鉄則として、着信があったからといってすぐに折り返しの電話をかけるのは避けたほうが無難です。
まずは先ほどお話しした通り、その番号についてインターネットで検索をかけて、情報を集めてみましょう。
調査の結果、迷惑電話として多数の報告が寄せられている番号だと判明したなら、放っておいて問題ありません。それどころか、一度でも電話に出てしまうと「この番号には人がいる」と業者に認識されて、その後さらに頻繁に電話がかかってくる危険性が高まってしまいます。
営業を目的とする業者は、膨大な数の電話番号リストを用意して、上から順番に機械的に発信しているケースが多いです。電話に出ない相手に対しては「連絡が取れない番号」として扱い、リストから外していく傾向にあります。
だからこそ、身に覚えのない067番号からの着信は、ただひたすら無視し続けることが、実は最も効果的な対処法になるんですよ。
とはいえ、どうしても確認しなければ気がすまない状況もあるでしょうし、もしかしたら自分に関係があるかもしれないと心配になる場合もあるでしょう。
そういった場合に折り返す際には、いくつかの安全対策を必ず実行してください。
まず、自分の電話番号を相手に知られないようにするため、発信する番号の前に「184」という数字を付けて電話をかけましょう。こうすれば非通知設定になり、あなたの番号は相手の画面に表示されることがありません。
そして、電話がつながった後も、個人情報を簡単に口にしてはいけません。これは非常に大切な注意点です。
氏名や住んでいる場所、働いている会社、家族の構成といった情報は、相手が巧妙な話術で聞き出そうとしてきても、決して教えてはダメです。
会話をしていて少しでも変だなと感じたら、遠慮する必要はありませんから、すぐに電話を切る勇気を持ちましょう。
長時間通話することで、思いがけず高額な料金が請求されるリスクもゼロとは言えませんからね。
しつこい着信を完全シャットアウト!スマホの着信拒否機能を上手に使いこなそう
同じ067番号から何度も何度も電話がかかってきて、精神的にストレスを感じている方は、スマートフォンに標準装備されている着信拒否機能を活用することで悩みを解消できます。
設定の手順は思ったよりも簡単ですから、我慢して耐え続ける必要はありませんよ。ぜひ実際に試してみてください。
iPhoneを使っている方は、まず画面から「電話」アプリを起動して、画面の下にある「履歴」というタブをタップします。
ブロックしたい番号を見つけたら、その右側に小さく表示されている「i」というマークを押してください。
すると、その番号の詳細情報が表示される画面に切り替わりますので、画面を一番下までスクロールしていくと、赤い文字で「この発信者を着信拒否」という項目が現れます。
そこをタップすれば設定は完了です。以後、その番号からの着信は自動的にブロックされるようになります。
Android端末を使っている場合は、スマートフォンの機種やメーカーごとに操作方法が若干異なることがありますが、大まかな流れは同じです。
「電話」アプリを開いて通話履歴の一覧を表示させたら、拒否したい番号を長押しするか、あるいはタップして詳細メニューを呼び出します。
そこに「ブロック」や「着信拒否」といった選択肢が表示されているはずですから、それを選べば設定が完了しますよ。
この便利な機能を使えば、同じ番号から二度と着信が届かなくなるため、電話に対する不安やストレスもかなり軽くなるでしょう。
なお、IP電話で使われる番号帯には、050や067以外にもいくつか種類があることを知っておくと、今後の判断に役立つかもしれません。
現在、IP電話サービスで最も広く使われているのは「050」の番号帯で、企業のお問い合わせ窓口や個人ユーザーの利用で幅広く普及しています。
それに対して「067」は、番号不足を補うために追加された番号帯ではあるものの、実際にはあまり浸透していないのが実情なんです。
そのため、067から着信があった場合、かなり昔からIP電話を契約している利用者か、もしくは営業活動を行っている業者である可能性が比較的高いと考えられます。
ちなみに「060」という番号帯も存在していますが、こちらは人間同士の通話用ではなく、機械と機械が通信し合うM2M・IoTという用途専用に割り当てられています。
例を挙げると、自動販売機の在庫状況を管理するシステムなどがこれに該当します。
ですから、私たちが普段使っている携帯電話に060から着信が入ることは、基本的にありえないと思って大丈夫です。
最後に
ここまでお読みいただいた内容を整理すると、067という番号は特定の地域を表す市外局番ではなく、IP電話サービスのために用意された専用の番号帯であるということが一番のポイントです。
そして、身に覚えのない067番号から着信があったときには、安易に対応せず、まずは情報を調べて慎重に判断することが賢い選択になります。不審だと感じたら、無視するか着信拒否の設定を行うことをおすすめします。
大阪府で使われている「06」という市外局番と見た目が似ているため混同しやすいのですが、両者はまったく性質が違うものです。このことを理解しておけば、突然の着信にも落ち着いて対処できるのではないでしょうか。
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これから先、もし067から始まる番号から電話がかかってきたら、この記事でお伝えした知識を思い出して、適切な行動を取っていただければ嬉しいです。
安心して電話を使える環境を保つために、スマートフォンに備わっている便利な機能を上手に活用していきましょう。怪しい電話に振り回されることなく、快適な日常を守ってくださいね。

